こんばんは。店主です。

期間限定の「瀬戸内六穀豚スペアリフの゙角煮風」は先日終了。召し上がってくださった皆様、誠に有り難うございました。また作りますので、その際はよろしくお願いいたします。

以下、長文が平気な方はどうぞ。

さて、6月頃にポークジンジャーの投稿でも書きましたが、豚肉料理の中で、角煮と生姜焼きが 1位•2位選び難い程に僕は好き。3位は本気で悩ましく、大昔 パリ1人旅で食べた乳飲み仔豚を何ちゃらスパイスとクリームで煮込んだ料理に衝撃を受け、今も記憶に残っているのでランクイン。

角煮って地域や人によって様々なアプローチがありますね。
実家で食べた角煮の味が“好き”のベースにあるのですが、外食の際に、もし角煮があればついつい頼んでしまうのは僕だけでしょうか?特に男性なら共感してもらえるんじゃあないかと信じたい。

元々角煮は、中国の東坡肉が由来とのこと。
幼い頃、美味しんぼを読んでいた角煮好きの僕は、皮付き三枚肉で作る東坡肉に憧れていました。そもそも皮付きなんて見たことがなかったですし。

大人になり、仕事の関係で石垣島に住んでいた頃、なんとなく沖縄本島へふらりと。
あてもなく公設市場を歩いてると、だいたいは観光用の屋台の様な飲食店が並んでいた。ふと端っこから妙に雰囲気を感じる一角が。
興味津々近づいてみると、中華料理とのこと。メニューを見ると東坡肉がある!
ドキドキしながら暖簾をくぐると、他の店のラフな格好とは違い、真っ白でパリっとした中華のコックコートの男性。そして接客の女性。ご夫婦のように見えました。

「昔 美味しんぼで読んだ東坡肉が食べられるかもしれん!」
期待と緊張でそわそわ待っていると、運ばれてきましたよ。
立ち昇る湯気からは、中華独特のスパイスの香り、黒酢を使用しているとのことで想像より黒く艶々しい感じ。そして、皮付きだったのが見て取れた時は、かなり高まりました。

本当に美味しかった。
煮込み料理は、柔らかいからというだけで美味しいわけじゃなく、その先がとっても大事が故に、最初からの工程が重要だなと痛感。と同時に、思い出の答え合わせができたような気がして、本当に嬉しかったように記憶しています。

食べ終わった後、翌日もう一度食べに行くことを決めていました。
公設市場に行く途中、さっきまで晴れていたのに強烈なスコール。びしょ濡れで暖簾をくぐると、昨日も来ていたこともあり、さすがにご夫婦に突っ込まれて、色々なお話をしてもらった気がします。

お店の名前もご夫婦の顔も、今はもう忘れてしまったけれど、“また食べたいなぁ”という記憶だけは鮮明で、スペアリブを仕込む季節に思い出す記憶。

今までもこれからも変わらずに、短編食堂が届けられたらなと思っているのは、食事を介し、この空間で過ごす ゆったりと安堵するような時間。
そのために“また食べたいなぁ”と感じていただける様な 料理や時間を積み重ねていこうと改めてキリッと思ったり。

角煮→東坡煮→スペアリブへと続いていて、継ぎ足しているスペアリブのソースを今、真空パックで冷凍保存。そしてまた来年作る時に引き継いでいく。
その時は、今より少し美味しくなってねと思いを馳せつつ。
紆余曲折、地味で目に見えないけれど、大切なことをコツコツ続けていきます。

次の期間限定メインは、ミックスフライ。おそらく提供期間は短め予定。気になる方は、お早めにぜひ。

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