【期間限定メイン】

瀬戸もち豚のゴルゴンゾーラ入り
メンチカツ デミグラスソース
自家製パン付き

※1日数量限定
(お取置の方優先)

※お取置は、12/27㈯まで承ります。
ただし、無くなり次第終了いたします。
ご希望の方はお早めにぜひ。

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こんばんは 店主です
(長文となってしまったので、気の向いた方だけ読んでくださいね)

このメンチカツを作るお手本となった料理に出会ったのは、8〜9年前くらいに訪れた とある洋食店にて。

そこは、洋食店として短編食堂を開業する前、洋食を色々食べ歩いていた中で、大阪在住時代からとってもお世話になっている方が連れて行ってくれたお店の1つで、京都で長く愛され続けている本格洋食店でした。

きっかけとなったのは、あの日 注文した料理の1つ “ブルーチーズカツレツ デミグラスソース”。
料理がテーブルに届いたときの大きさのインパクト。シンプルな盛り付けゆえの潔い格好良さ。何よりお皿から立ち上ってきた多層感ある複雑で何とも言えない良い香りがたまりませんでした。
そして、切ったカツレツから溢れ出るブルーチーズと 深さや苦みが濃厚なデミグラスソースを絡め食べた時に感じた三位一体の衝撃は今も記憶に残っています。

食べながら、作り手ではあるあるの癖だと思いますが、「どうやったら作れるんだろう?」思考が、その洋食店に対して恐れ多いのですが 無意識に発動していました。

結論「今は 無理じゃな…」でした。

なぜなら、この料理はブルーチーズとデミグラスソースが仲良く合わさってこそ、相乗効果で よりカツレツも美味しくなる設計になっているとわかったから。
もう少し解像度をあげると、カツレツの中に入っているブルーチーズに負けない多層的かつ苦みや深さのあるデミグラスソースにするには、継ぎ足し深めていく年月がどうしても必要不可欠だと感じたからです。

世の手作りしている洋食店にとって、
“デミグラスソースは洋食店の命”
とよく称されています。

その理由の詳細は割愛しますが、過去も現在も 料理人達が技術や情熱を注ぎ、長時間かけて仕上げたデミグラスソースには、長い年月を経て コツコツ継ぎ足し続けることでしか到達できない唯一無二の個性がそれぞれのお店にあるように思います。

デミグラスソースを仕込む工程自体、地味で手間暇のかかるものですが、同じような工程のカレーより どうしても市民権がないのが現状です。
そして、人間の味覚が十人十色で、“美味しい”の感じ方には 算数のように模範解答が決まっているという共通概念がない以上、例えばデミグラスソースが美味しくなるために必要な時間を 価値として共感してもらうのは とっても難しいことだと痛感しています。
共感をしてもらえなければ、作り手の自己満足になってしまいかねません。

それでも、先人達がコツコツ継ぎ足し続けたことで、明治時代から世に認知してもらいながら、大衆洋食•本格洋食に関わらず 日本における洋食文化となっていったのではないかと想像しています。

僕がデミグラスソースを仕込むとき、継ぎ足して煮込むとき、仕上がりまで長時間かかってしまうのですが、途中何度かグルグル混ぜながら香りを嗅いでいると、仕上がりまでの過程で生じる微々たる変化を見つけたとき、何とも言えない愛おしさに近い感情が湧いてくることがありました。
もしかしたら、日本人が元々持っている美意識である“侘び寂び”の感覚に近しいのかもしれないな、ふとそんなことを思いました。
それは、単純で地味だけれど丁寧に作業することに対して、“侘び”の質素さや精神的な豊かさを。
また、継ぎ足し続けることで生まれる深さに対して、“寂び”の 時間を経ていく中で生まれる深い趣や静かな美しさを。
そんなことを、デミグラスソースが熟成していくさまと どこか似ているように 何となく思えた感性は、日本人特有の美意識からきていたのかもしれません。

→続く


ゆっくり食事を楽しみながら
自分へのご褒美の日
お誕生日などお祝いの日にも

どこでも食べられそうで
たぶんここでしか味わえない洋食で
どこか安堵するような時間を


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