ミズレモン
パッションフルーツ
サンドルチェ(パイナップル)
石垣さんご(パパイヤ)

先月訪れた石垣島のお土産フルーツ。
その土地の食材を見るのは、どこであれワクワクしてしまいます。少量だったので、タイミングが合った方々にお裾分け。

今回の旅は、約20年前 石垣島のANAホテルにて料理のキャリアをスタートした自分にとっては、感慨深く 古巣へ帰るような気持ちでした。

社会人を一度経て、専門学校で出会ったフランス人の講師の先生が、20年前は封建的な考え方が当たり前の料理業界において、

「リョウリハ、タノシク ツクラナキャダメダヨー!」

なんて、面白いことを言うもんだから、彼について行ってみようと思った訳で。
その就職先がたまたま石垣島で、たまたまそのフランス人の先生が 当時のANAホテルの総料理長だったという…

石垣島の3年間で、自然や島の人と過ごすうちに感じたのは、“また帰ってきたいなぁ”というノスタルジー。
というのも、きっと自身の体内時計と波長に合う部分が大きかったから。そして、故郷の尾道と同じく海が近かったから。

旅の最終日、ANA時代同期の友人(島人)と会えました。
20年前、彼と防波堤で釣りをしていた時、何故か小判鮫が釣れて、意味不明の達成感を味わった後、

「じゃあね、バイバイ!」と言うと
「じゃあまたあとでなー!」

友人は、そう応えました。

まだ、石垣1年目の慣れていない自分としては、ふと言葉に違和感があって、聞いてみました。

「今日は帰るから、もう会わないのに、何で“またあとで”って言うん?」

「こっちじゃ んなふーに言うさぁ」

“あとでなー!”と言った詳しい意味なんてわからんですが、何となくジワジワ優しく温かい気持ちになった記憶があります。
訳もわかってないけれど、自分も、

「またあとでなー!」

なんて、ニコニコ返していました。

本当の意味はどうあれ、“バイバイ”より、“縁があればまた会えるかもしれない”と感じさせてくれながらも、縛らずに、でも緩やかな寛容さがにじみ出ている、そんな文化が心地良かった。
だから、石垣島が自分にとって、第2の故郷のような大切な場所になっているんだろうと思います。

その後、色々な経験はしましたが、そんな石垣島での感覚も大切にしつつ、短編食堂を始めて、今も変わらず同じ気持ちでやっています。

お土産のフルーツを切ると、南国特有の香りが厨房に広がりました。
香りは、アルバムよりも鮮明にあの頃へと連れて行ってくれる、そんな気がします。

最後に
初対面にも関わらず、信じられないくらいの寛容さで接してくれたゼンさん
@waninoniwa0716
賢者の石というカクテルで、ある意味ミラクルを創り出した世界一のバーテンダーで華しかない裕也くん
@yt_bartender
有り難うございました。
そして、今回の旅で出会った方々に感謝を。

店主


お話ししながらゆっくり食事を楽しむ日や
自分へのご褒美の日
お誕生日などお祝いの日にも

どこでも食べられそうで
たぶんここでしか味わえない洋食で
どこかホッとするような時間を


DIARY 一覧に戻る